はやぶさなど科学衛星の名前の由来が毎日新聞記事に

毎日に面白い記事が出ていました.記者は,はやぶさタッチダウンの頃にも良い記事を書いておられた元村有希子さん.

火星探査衛星「のぞみ」(98年)も一例だろう。トラブルで火星の軌道に入ることはかなわなかったが、初の惑星探査機開発に苦闘した関係者の思いを込めた。「新幹線と同名だからJRに通告しなくていいか聞いたら、西田篤弘(旧宇宙科学研究所)所長が『新幹線の100倍速いんだからいいだろう』と言ったのを覚えてます」と的川さん。

JAXAの阪本成一教授が「その奮闘を見守ってほしい」と話す「はやぶさ」は、来年の帰還に向け、現在地球を目指す。03年に打ち上げられ、小惑星イトカワ」に到達し、金属球をぶつけて地表の破片を地球に持ち帰る任務を負う。上空から狙いを定め、獲物をつかんで飛び立つハヤブサのイメージから命名された。事前投票では「アトム」が圧勝。「鉄腕アトム」が打ち上げと同じ03年生まれで、自律航行する同衛星をロボットに見立てた案だったが、「原爆を連想させる」とお蔵入りになった。

一方、今秋、国際宇宙ステーションに物資を届けた日本初の無人補給機「HTV」に愛称はない。JAXAは「使い捨てだから」と説明する。

個人的には,HTV も 1 機ごとに名前をつけてほしいなあ.ESA の ATV 1 号機がジュール・ヴェルヌといういい名前をつけているのがうらやましいですね.使い捨てと言われると,他の衛星だって使い捨てだし,何しろ宇宙に数日しかいなかった OREX や VEP もちゃんと「りゅうせい」「みょうじょう」という良い名前をもらっているのだから….

使い捨ての国産ロケット「H2A」は、デビュー(01年)に合わせて99年、公募で「金太郎」という愛称が内定したが、前身のH2ロケットはトラブル続きで、命名が見送られた。

これは知らなかったなあ.

なお,はやぶさの名前の由来については,2ch でこんなコピペが出回っていました.

心の琴線に触れる話ですが,少なくとも JAXA の公式見解ではないという見方が強いようで,公式には上記の毎日の記事のようにサンプルリターンの様子からということだと思います.そもそも,イトカワにその名がついたのははやぶさ打上げ後なので,どう考えても後付けでしょう.ただ,的川先生の講演ではこの一式戦闘機「隼」,寝台特急はやぶさ」の話も挙がっていたようで,多分,公式ではないけれども多少あやかってはいるんだろうなあと思っています.

ちなみにこの話はニコニコ大百科にも非常に詳しく載っています.GJ!


追記 (2009-11-29):はやぶさの名の由来はここも非常に詳しいですね.