はやぶさ 2 の現状

さて,はやぶさの後継機,はやぶさ 2 はどうなったのでしょうか.さすがの松浦さんのブログも,推測や伝聞が多くなかなか状況がつかめませんが,

少なくとも一般公開で「衝突機」という新しい構想が出ていたことが確認されています.

インプレスの報道によると 2 機体制で,衝突機という別の機体が高速に小惑星に衝突してクレーターを作り,母船 (はやぶさ同型機) がそこから内部のサンプルを取るという,さらに一歩進んだ計画です.こういう話個人的には大好きです.はい.

松浦さんや大塚さんの記事を読む限り,相変わらず予算がないとのことです…ただ,お二人の記事では来年度の概算要求にはやぶさ 2 が計上されていないとありますが,事業仕分けの資料では,5 千万円との記載があります.

生き残っていてほっとしました.しかしたった 5 千万かという気はしますが…ちなみに ASTRO-G のゼロ円というのも謎ですが….

なお予算に関しては,その昔,松浦さんの呼びかけに触発されて,Wiki のほうではやぶさ2を実現させよう勝手にキャンペーン というページを作ったことがありました.多くの方がご賛同くださり,メル凸先や応援者などの情報を書き込んでくれました.しかしその後 2ch 等の議論を通して,そういう予算云々というメル凸を勝手にやることは応援の仕方としてあまり良くないのではという話になり,たかが 2ch の議論ではありますが,ガクブルしつつ自分の衝動的で軽率な行動を猛省した次第です.もし自分がメル凸される立場だったら,という想像力が欠けていましたし,それ以前に中の人に全く断りなく外野がいきなり人の尻馬に乗って勝手に活動してしまったことは,ほめられたことではありません (ただしこれは賛同して下さった方々の行動を非難するものでは全くありません.勝手にそんなページを作ったことへの反省です)

はやぶさを始め,色々なプロジェクトを「応援してます!」という声が届くこと自体は良い事だろうということで,まあ,これはまさに原点なんですよね.結局,予算云々以前に,はやぶさを,日本の宇宙開発を,純粋に応援し,これからに期待し,かつ手放しで礼賛するのではなくそこにある問題点や改善点,誤解や欺瞞を見抜く科学リテラシーを培い,そして宇宙とそこに到達しようとする人の営みへの愛を持つことで,はやぶさのみならず日本の宇宙開発全体の底力を支えていくことができればと思うわけです.キャンペーンサイトに関してはそもそも内容が古く,応援しようとする人が混乱するといけないので多少再考すべきと考えていますが,はやぶさとその後継機,そして宇宙開発全体を応援する気持ちは変わらないということで,衝動的にならないように注意しつつ個人的な「応援」は続けていきます.

結局 3 年前のこれらのエントリで悶々としてたときの結論は今も変わっていない.読み返すと稚拙かつ青すぎる文章に苦笑しますが (そして未だにぜんぜん成長してませんが).

なお,一般公開では参加者からはやぶさ 2 への応援メッセージを書いてもらったようで,その写真が公開されています.心強い話です.