はやぶさの打上げから初期運用に至る詳細な手記

紹介が遅くなってしまいましたが,天文学者はやぶさの近赤外分光計開発にも参加された阿部新助さんの手記がすごいです.はやぶさの打上げから初期運用にかけて,数値やエピソードを詰め込んだ貴重な手記です.

X−2分、発射準備完了。それまで曇天だった空にぽっかりと青空が広がった。
内之浦の上空に正に宇宙へのウィンドウが開いた。

探査機の愛称は、5月7日締め切りで、我々鹿児島の実験班員と宇宙研職員らによって提案された192種類の名前から決まったものである。最多得票は、手塚治虫ファンのKSC所長・的川泰宣先生ご推薦の「アトム」が13票、「はやぶさ」はそれに次ぐ10名からの提案があったそうだ。「ヤマト」もイオンエンジン・ステッカーを実験班員に配布して布教活動を繰り広げたが、毎回提案される名称とのことで、今回も落選だった。

毎回提案されるんですかwwww

さて、「はやぶさ」は、目標に向かって精確に飛び、ホバリング、サッと獲物を獲る姿が、小惑星に向かって精確に飛び、上空に留まった後タッチ・アンド・ゴーでサンプルを得る様子に似ているという表向きの選定理由以外にも、日本のロケットの生みの親である糸川英夫先生の手がけた戦闘機「隼」や、東京と鹿児島を結ぶ寝台特急はやぶさ」なども思い浮かぶ名称である。

宇宙研の工学実験機は、純粋に工学技術を実証するという観点ではなく、理学的目的を伴って初めて飛翔意義が生まれるパスファインダー(Path Finder)と呼ぶべきもの、つまり今回のミッション以降に類似の計画があり、その成功確率を高めるために総合技術を実証しておこなおうというものである。

それにしても…末尾のリンク集では本家 JAXAISASWikipedia を差し置いてはやぶさまとめが一番上に来てるのに腰抜かしましたがwww…関係者の方々にも認知されているのだなあとあらためて襟を正した次第です.