学士会会報の的川先生の寄稿

学士会会報 No.862(2007 年 1 月)に的川先生の「宇宙進出と日本の未来」が載っているそうです.管理人は入手できる立場にありませんが,読書日記さんのところに簡単なレビューがありました.

個人的に引っかかったのがこの部分.

JAXAに新しい人間が数十人入ってきて、将来何をやりたいのと聞くと、八割がたが「プロジェクトマネージャーになりたい」と応えます。「ああ、そう。何のプロジェクトマネージャー?」「いや、何でもいいです」と、宇宙の組織に入って、何でもいいからプロ真似になりたいというのでは、どこの会社に入っても同じではないか。もう少し宇宙そのものへの野心にあふれた、どういうことをやりたいと、きちっと高い目的があるような人たちが入ってこないと、宇宙が政治戦略的にだけ考えられる時代になっていくのではないかなというのが、私の憂慮するところです」(p.118)

正直,最初に浮かんだのは「こんな程度でも JAXA に入れるのか…」ということ.大変な難関を勝ち抜いて JAXA に入社してきたエリート達なので,みな高いビジョンを持っているのかと思っておりました.

いや,プロマネを目指すのは立派だと思うよ.でも,要は,プロマネになってどんなミッションをやるかだよなあ.「こういうミッションをやりたいからそのプロマネになりたい」というのが筋だと思うんですが,目的が手段になってしまっている気が.理工系の「あがり」としてしか JAXA をとらえていない人達なのかなあ(まあ,その程度の組織ということなのかも知れませんが,だったらなおさら…).

というか,何でもいいですとか言ってるとそのうち,完成しそうにないお荷物プロジェクトを任されるぞ(今ならアレとか…).