松浦さんのコラムによる日本の月探査の現状と行く末

日経 BP に出ています.

NASDA はかなりいい所に目をつけていたんですね.しかしそれがすっかり後手後手に回って大変なことに.まあ,90 年代に計画を始めていなければもっと悲惨なことになっていたと思われますが.

SELENE-2は当初、着陸は難しいが、学術的な価値の高いクレーター中央部に降りて、無人探査車による調査を行うことを目指していた。ところが、アメリカが国際協力による有人月探査構想を持ち出した結果、現在では日本が国際協力で参加する場合の予備調査に、目的が変わってしまっている。

その一方でJAXA内部では、アメリカが国際協力を呼びかけている有人月探査に、無条件で参加する方向で議論が進んでしまっている。

がーん.そんなことになっていたんですか.

先日の国際宇宙探査戦略ワークショップでも,NASA との運命共同体は避けるべく欧州,ロシア,日本各国は独自の探査路線を進めるという話だったと思っていたのですが….ISS の二の舞だけにはならないようにしてほしいですね.

ちなみにサイエンスポータルで以下のような記事が出ていたようです(もう消えていますが,こちらのサイトに全文ありましたので転載します).やはり,このままではまずいってことになったんでしょうかね.

【 宇宙開発委員会が月探査計画の検討開始 】

宇宙開発委員会は6日、月探査ワーキンググループの初会合を霞ヶ関ビルで開催する。

現在、宇宙開発委員会の計画部会では、次の「宇宙開発に関する長期的な計画」を審議しており、その中で新たに「宇宙探査への挑戦」を盛り込むことを検討している。

一方、月・惑星探査については、各国の取り組みが最近、急激に活発化していることから、長期計画では、そうした状況を踏まえた日本としての月探査に関する基本的な方向を示すことが求められている。月探査ワーキンググループでは、宇宙探査における月探査の位置づけと目的、意義を明確にするとともに、将来を見据えた日本における月探査の目標と具体的な計画、月探査計画の国際協力・協働の進め方と日本の役割、月探査に関する国際的な法的枠組み構築への対応などを審議する。

10月末までに4回程度開催し、集中的な審議を行うことで長期計画に反映させる予定。