JAXA タウンミーティング開催報告

第 20〜23 回の報告が出ています.

森田:(略)今は、この小型のロケットをとにかく造って、小型衛星の要求に応える、これが最初の使命なんですね。そして、次のステップで、大きな衛星を打てるようなロケットに、バージョンアップしようとしています。それはまだ明確な予算がついた計画ではないですが、だいたい2011年度から数年後にはM-Vを超えるようなもうちょっと大きなロケットを是非造りたいと、そういうふうに考えています。その時には「ASTRO-G」がH-IIAで先に上がっちゃいますが、「はるか」の次世代機みたいな衛星は余裕を持って、この新しい固体ロケットの次のステップのロケットで上げられるように頑張りたいと計画しています。

森田:(略)無誘導というのは、全く何もしないということではなくて、重力のお陰で人工衛星の軌道にロケットが自然に向かっていく。その軌道を適切に設計していたということなんですね。軌道を適切に設計することによって、無制御でも人工衛星の軌道に乗るようにすることができたわけです。これは当時でも画期的な打ち方であったそうで、そんな打ち方では絶対人工衛星は上がりっこないと、世界中の人たちから言われていたそうです。それを敢えて糸川先生のグループは、そんなことはない、こんな方法でも絶対上げられるという信念で上げたそうです。

佐々木:「かぐや」の軌道計画は、「ひてん」の軌道計画をレファレンスとして、今回選んだコースです。その意味では10年以上前の「ひてん」の計画や知識が、「かぐや」に活かされたと思います。

的川:(略)「はやぶさ」の時に各地でいろいろなお話をすると、その反応は、「面白いことやっていますね」「すごいですね」とか、失敗と思ったら成功したりする、ドキドキするような七転び八起きがあって、そういうスリルとか、エンジニアリングの操作とかそういうことを褒めていただけることが多かったんですけれが、「かぐや」の場合はちょっと違っています。じっーと目をつむっていろんな方のおっしゃるのを聞いていると、例えば月面から上がってくる地球というのを、ハイビジョンで見たりした感想は、「はやぶさ」のときとは違い、あんな画像、映像を見せてもらって大変嬉しい、ありがたいとか、そういう言葉が多いんですね。それは多分、小惑星と自分とのつながりというのは、あまりないかもしれないけど、お月さまというのは格別の意味が、人間にとってはあるんだなということをしみじみ感じるんですね。