ナイスステップな研究者 2006 に「小惑星探査機『はやぶさ』の地球帰還への挑戦」が選ばれる

科学技術政策研究所から,「科学技術への顕著な貢献」としてはやぶさチームが選定されました.おめでとうございます.

○「小惑星探査機『はやぶさ』の地球帰還への挑戦」
宇宙航空研究開発機構小惑星探査機「はやぶさ」チーム
代表:川口淳一郎プログラムマネージャー

小惑星探査機『はやぶさ』は、2003年の5月にM-Vロケット 5 号機によって打ち上げられ、2005年9月に小惑星イトカワに到達し、ランデブーに成功した。『はやぶさ』は世界で初めて往復の惑星間飛行を行うミッションに従事しており、また、小惑星から試料を採取し地球に持ち帰る小惑星サンプルリターンに挑戦した世界で初めての探査機である。これまで人類が地球以外の天体から試料を持ち帰ったのは月探査を行ったアポロ計画のみであり、我が国の『はやぶさ』の試みは、世界の宇宙科学史上においても画期的な挑戦であった。

はやぶさ』は、イトカワ表面の状態がよく分かる精細な写真を数多く取得することに成功するなど、科学的に価値の高い貴重な観測データをたくさん得ることに成功し、その画像は世界的にも広く報じられた。その解析を通じて太陽系の生成に関する知見の拡大が期待される。また、『はやぶさ』には燃費や効率のよい電気推進エンジン(イオンエンジン)が搭載されているほか、自分が行くべき方向を自律的に見定めることができる自律航行など、さまざまな技術的チャレンジが盛り込まれ、それらの実証にも成功した。

はやぶさ」は、燃料漏洩で噴出したガスの影響で姿勢異常が生じ、一時は地球帰還が危ぶまれたが、科学者チームの懸命の努力が続けられた結果、今年になり、帰還の可能性に目処がつきつつある。このように科学者が英知を絞って困難に取り組む姿勢は、国民、特に青少年に対し、夢に挑戦する科学技術の素晴らしさを認識させ、勇気と希望、感動を与えた。

「驚異的なスピードでの超新星発見と天文学発展への貢献」ということで板垣公一さんも選ばれてますね.ほんとに驚異的なスピード.