朝日新聞科学欄に松尾弘毅先生

朝日新聞 1/26 夕刊科学面「ぱーそん」欄に,元宇宙研所長でこのたび宇宙開発委員会の委員長に就任された松尾弘毅先生のことが載っています.はやぶさについても触れられています.

 「宇宙の分野をすみずみまで知っているわけではないが、どっぷりとつかってきた」
 文部科学省宇宙開発委員会の委員長に1月、松尾弘毅さん(67)が就任した。宇宙航空研究開発機構などが進める宇宙開発の長期計画を審議する。
 日本のロケットの父、糸川英夫博士の門をたたいて以来45年、昨年使命を終えたΜ(ミュー)ロケットの開発を指揮し、旧宇宙科学研究所長も務めた。周囲は「物事を大局的に判断する人」という。
 長い研究暦を「うまくいった時の喜びは、失敗せずにすんだ安堵に変わっていった」と振り返る。
 日本の宇宙開発について「成功確率を高めるのも大切だが、リスク覚悟の挑戦もなければ将来につながらない」といい、小惑星に到達したはやぶさを高く評価する。
 日本独自の有人探査には「国民に支援の機運がなければ続かない」と慎重だ。「無人の惑星探査が何に役立つのかとよく問われるが、実利に傾きすぎると宇宙開発は輝きを失う。バランスが大切」と語る。(嘉幡久敬)

前任者の井口雅一先生はもともと自動車の安全対策がご専門だったこともあり,その手腕がここ数年のロケットの安全性回復に生かされたのだと思いますが,宇宙研出身で工学畑の松尾先生の就任により,宇宙探査等についてもますます積極的な議論が展開されることを期待しています.