ボイジャー 30 周年

もう過ぎてしまいましたが,8/20 はボイジャーが打ち上げられてちょうど 30 年でした.

30 年前の探査機を未だに運用できているというのは驚異的なことです.個人的にも,ボイジャーと同世代の人間なので(笑)実に感慨深いですね.

YM コラムでも取り上げられています.

外惑星を訪問した探査機としては、ボイジャーの先輩としてパイオニア10、11号がありますが、私たちに火星の向こう側の世界の多様な美しさを見せてくれ、まさに太陽系周遊旅行を味あわせてくれた点において、私は2機のボイジャー、特にその2号には大いに感謝しています。「あれがあったから、人類の惑星探査の内発性は継続したのだ」とさえ思います。

まったく同感です.ボイジャーはまさに惑星探査の象徴であり,その技術と精神ははやぶさを含め世界中の惑星探査機に受け継がれています.

ボイジャーはこれからどうなるのか?ここにまとめられています.

あと数年で徐々にいろいろな機器の運用が停止されていきます.例えばジャイロは 2010〜2011 年あたりに止めるようです.HGA による通信に影響が出ることは必至です.できるだけ延ばしてほしいものですが….


追記:時間がなくてあまり書けなかったので追記です.Slashdot の記事にいろいろ面白い話が載っていました.スラドの皆さん相変わらず博識過ぎ.

NASA Blog では,「もし今新たにゴールデンレコードを作成するなら何を収録したいか?」というアンケートを実施中です.締切は 9/5(ボイジャー 1 号の打上げ日).集まった回答の中からボイジャーミッションチーム(!)がピックアップしてくれるそうです.

「本物のプログラマ」という文書にあるボイジャーの神運用(この文章全体も大変面白い).

本物のプログラマのうちで最も素晴らしい何人かが、カリフォルニアのジェット推進研究所で働いている。彼らの多くは、パイオニアボイジャーオペレーティングシステムを、すみからすみまで知りつくしている。地上の大規模 FORTRAN プログラムと、宇宙機に搭載されたアセンブリ言語のプログラムを一体化して、彼らは操縦と即興演奏の傑作を生み出すことができる -- 打ち上げてから 6年も経過した後で宇宙船を土星の10キロ四方の範囲にヒットさせて、損傷したセンサープラットフォームや通信機やバッテリを修理・バイパスしたりするのだ。うわさによると、本物のプログラマのある1人はなんとかやりくりして、ボイジャー宇宙機に搭載された数百バイトの未使用メモリに、パターンマッチングプログラムを組み込んだという。そのときボイジャー木星にいて、新しく発見された月を撮影していたのだ。

JPL の管制室.時計右側の xterm っぽい窓のうち 2 つがボイジャーのテレメトリだそうで,JPL 一般公開などで見ることができるらしい.

TBS が 1992 年に放映した特番「宇宙からの贈り物 ボイジャー 〜航海者たち〜」.リアルタイムで見た記憶があります.当時の TBS はずいぶん宇宙に関していい番組を作っていましたね.
有名な「ボイジャー・モノローグ」.はやぶさ好きな方ならかなり涙腺に来るはずです.

YouTube にもキャプチャがありました.

1990 年 2 月 14 日に撮影された,有名な「太陽系の家族写真」(1990 年ということは,現在の旅程の半分も来ていなかったことになります).

そして,a pale blue dot,地球です.