松浦晋也氏によるはやぶさ2 Q&A まとめ
上記の件のレスの抜粋です.
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924 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 02:16:46 id:PRXACric
どうも、松浦です。
基本的に2ちゃんねるには書かない、というのが私のポリシーですが、
今回ばかりは、私がここに顔を出したほうがいいと思うので、
この週末限定ということで書き込みを行います。
質問には可能な限り答えます。ただしジャーナリストには取材源の秘匿
という義務がありますので答えられない場合もありうることを了解してください。
907 :名無しSUN :2007/10/11(木) 22:25:58 id:EQvJ+rBA
>>L/D
なんだか、煽れば煽るほど引くんですけど。
陰謀論じみてて。
「長期ビジョン」にしても、あれが実行できたとは
とても思えないし。
925 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 02:21:47 id:PRXACric
寝る前にこれまでの分に答えておきます。
>陰謀論じみてて。
ソースをすべて明かすわけにいかず、またオフレコ条件で聞いた話は信義
として書けませんから、陰謀論に見える部分はあるかと思います。
私として言えるのは、「それなりに経験を積んだジャーナリストが書く
話は、伝聞や推定の形で書いてあっても必ず取材の裏打ちがある」という
ことです。
そこから先は私という人物を信用してもらうしかありません。
ジャーナリストは信用がすべてである所以です。
私が信用似たる人物かは、過去の私の文章から、皆さんひとりひとりに
判断してもらうしかありません。
926 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 02:26:32 id:PRXACric
>「長期ビジョン」にしても、あれが実行できたとは
>とても思えないし。
1987年の長期ビジョンをご存知ということは、私と同年配以上ですね。
確かにあれは、チャレンジャー事故後も、雰囲気として引っ張っていた
シャトルバブルが多分に入り込んでいました。
21世紀初頭までの15年で、6兆円を投資する、としていましたね。
あの時の長期ビジョン→大綱の議論で、なぜ民間があれほど怒ったかと
いえば、「言わせるだけ言わせて、すべてを科技庁がひっくり返した」か
らでした。
「やる気がないなら最初から言わせるな」「ガス抜きか」「期待だけさ
せて梯子をはずすのか」といったところです。
910 :名無しSUN :2007/10/11(木) 23:30:21 id:oJZtyOY8
はやぶさMkIIだと、また工学実験探査機になるのか?
おいらは次は理学探査機としてのはやぶさ2を期待してたんだけど、
ここで打ち止め、ということになるのか、、、
915 :名無しSUN :2007/10/12(金) 00:42:32 id:UhVUgGcc
ベピ・コロンボ水星探査機が2013年
ペネトレータが乗るかもしれないルナ・グローブが2012年
PLANET-C金星探査機が2010年
かぐや後継が同じく2010年
はるか後継ASTRO-Gが2012年
2010年以降の計画。思いつくだけ。
はたして人員の調整はされているのでしょうか。
最先端というなら、ASTRO-Gもそうだし。
素直に応援する気にならない。
927 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 02:30:04 id:PRXACric
>理学探査機としてのはやぶさ2
取材に基づく見解ではなく、私個人の見方ですが、はやぶさ2は理学探
査機になるのではないかと思います。工学試験の要素がありませんから。
最終的にははやぶさでとこまでミッションを達成できるかにかかるので
はないかと見ています。
>はたして人員の調整はされているのでしょうか。
JAXAになり、JSPECができたことで人繰りはISASよりも楽になってい
るようです。JSPECは川口先生が強調していたようにISASなど本部と同格
ですから。それでも「楽」とは言えないですが。
916 :名無しSUN :2007/10/12(金) 00:43:54 id:xiDdBnCI
個人的にはASTRO-Gのロケット未定も何とかしてあげたい。
どのロケットで上げるかも決まらずに、FM制作開始とかなったら
かわいそうすぎる
917 :名無しSUN :2007/10/12(金) 00:58:29 ID:A+7pDrcE
>>915
別に、ASTRO-G(VSOP-2)を押しのけてまでやれとは
言ってないと思うけど。期待しとるよ。
人手が足りるかどうかは、しらない。
かぐや後継が入ったから、はやぶさ2の実現性という点では
厳しかろうね。
あと、すざくの後継も上げて欲しいんだが・・・。
>>916
そっちも意見したほうがいいかもね。
また「自分でロケット探せ」とかいいかねない。
918 :名無しSUN :2007/10/12(金) 01:08:47 id:xiDdBnCI
もしASTRO-G, はやぶさ2と海外ロケットが続くと
科学衛星系は今後国際協力で
とかきれい事のように流されかねない。
928 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 02:33:56 id:PRXACric
>ASTRO-Gのロケット未定
近く書こうと思っていたのですが…ASTRO-Gは当初ロケットにH-IIA半額以下の予算しか付きませんでした。
この値段で打ち上げ可能なのは、ロシアのロコットかドニエプルぐらい
で、実際その方向で検討もしていたそうです。
ところが最近、「日本のロケットで打ち上げる」という方針転換があっ
たようです。
私も今のところ、知っているのはそこまでです。
>すざくの後継
無問題であろう、とだけ言わせて下さい。
919 :名無しSUN :2007/10/12(金) 01:30:51 id:lY5gmBAR
イプシロンっていつから3段になったんだ?
しかもペイロード増えているし。
920 :名無しSUN :2007/10/12(金) 01:38:08 id:ga2KhbNX
松浦氏の記事見てきたんだけど
ここにいる皆さんでお偉方にメール出す人います?
まぁ正直なところ効果があるとは思えないけど
俺は出してみようかなぁ、と思う。
って以前も松浦氏のブログでこんな呼びかけやってたような。
929 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 02:41:54 id:PRXACric
>イプシロンっていつから3段になったんだ?
今年8月7日の宇宙開発委員会推進部会で、森田先生が説明をしています。
>って以前も松浦氏のブログでこんな呼びかけやってた
はい、昨年末の予算折衝時期に呼びかけました。感触としては、あの
動
きがあったことで、はやぶさ2は首の皮一枚で生き延びたようです。
あくまで私の感触、ではありますが。
>まぁ正直なところ効果があるとは思えないけど
確かに個人の意見が国の政策、あるいは霞が関の判断に即反映するかと
いえば難しいです。
しかし、それでも関係者に話を聞いていくと、最後は必ず「世論の支持
がどうしても必要ですねえ」「もう少し、『やってくれ』という声があれ
ば踏ん張りも効くのだけれど」というところに収束します。
「楽観するな、しかし悲嘆に暮れて諦めてしまうほどではない」という
ところでしょうか。
今晩はここまでにします。
930 :名無しSUN :2007/10/12(金) 03:03:16 ID:8rBpifzL
前々から思っていたことなのですが、松浦氏の著書にて
『「のぞみ」も「はやぶさ」も独りのプロマネが把握するには限界ギリギリの宇宙機である』
というような趣旨の記述があったと記憶しています。
今後の「プログラム的探査による惑星探査」を考える上では見過ごせない問題だと思うのですが・・・。
特に「はやぶさMk2」は方針としては大型化することが確定していますから、
ISAS方式が通用するのかというのが心配になっています。
今後の惑星探査機が大型化を避け得ないのであれば、
「かぐや」のような官僚的な開発手法を取り入れざるを得ないのではないでしょうか?
そういう意味で「かぐや」「かぐや2」とシリーズ化をすることは意義のあることだと思うのですが・・・。
955 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 22:00:46 id:PRXACric
>今後の惑星探査機が大型化を避け得ないのであれば、
>「かぐや」のような官僚的な開発手法を取り入れざるを得ないのではないでしょうか?
惑星探査機が大型化するかどうかは、様々な要因がからむ問題です。
私としては「小さな探査を多数回」を支持するものですが、小さいと
成果の出ないミッションというのもあるので難しいところです。
たとえば宇宙望遠鏡は鏡の口径が性能に大きく影響します。
「かぐや」は官僚的な開発手法というよりもNASDA系の書類重視の
開発手法をとっています。長所は大人数でシステマティックな開発が
可能なことです。一方で書類に埋もれて実物を見ていないということに
もなりかねない問題点があります。
JSPECが、今後どんな開発手法を取るかは要注目だと思います。
この分野は現場経験のない私が、どうすべきと言える問題ではないと
感じています。取材あるのみですね。
かぐや2のような着陸ミッションには、より小型の着陸機で行うという
案もあります。私はそちらに賛成です。着陸技術の実証に絞って100億
オーダーで実施すべきと考えています。
>「かぐや」「かぐや2」とシリーズ化をすることは意義のあること
その通りだと思います。課題は月探査を、日本の宇宙政策にどう位置
付けるかですね。
現在、シリーズ化の発想なしに「かぐや2」がクローズアップされて
いるのが、問題だと感じているわけです。
932 :名無しSUN :2007/10/12(金) 03:29:08 id:eEmvivC7
うわ、ご本人が…
>松浦さま
ニュース等では”「国際協力により外国のロケットで打上げることを前提として
検討するよう指示されている」という旨”という表現にとどまっていますが、
このロケットが調達できなければ”「はやぶさ2」計画自体がつぶれる”というのは
これは文字どおりに解釈してよろしいのでしょうか?
933 :名無しSUN :2007/10/12(金) 04:13:22 id:Nx9y5a2U
>>924-929
松浦さん、深夜までお疲れさまです。
L/DとJAXAは毎日の巡回ページの一つです。
2chで松浦さんに遭遇したのはこれが2度目です。ラッキー!(?)
以下素人の想いです。
(1) 2010年帰郷予定の「はやぶさ」、是非帰って来て欲しい!!
「はやぶさ2」を是非宇宙(そら)へ!! ぐずぐずするな!
(2) 「かぐや」の大成功を心より願っています!! 「かぐや(改)」の着実・大胆な実現を!!
(3) 10数体のアシモなどのヒューマノイドタイプのロボットが月面で活躍するのを見たい!!
(4) 宇宙関連の、世界に対する日本の存在性のアピールとして如何なる形であろうが『有人』
は絶対に必要と考えている。
(5) 日本の宇宙開発に関して、少ないと言われる予算と人員の中にあって、中の人たちには
感謝と期待の想いで胸が一杯ですが、一方、かなりフラストレーションがたまっています。
これは予算関係者やマスメディアに対するものが大半ですが、それだけでもない・・・。
(6) 「きぼう」の行く末はどうなるの?
(7) 沖ノ鳥島やフィリピン近海等の日本の排他的領海内のへのメガフロート射場建設は、
無意味な議論?
(8) 日本の宇宙開発の状況がよく見えてこないです。米は除外して、日本の宇宙開発状況は、
例えばEU、ロシア、インド、中国との比較で、どんな点が凄くてどこがダメなのですか?
(9) 一国民として、どうすれば日本の宇宙開発の活性化に貢献出来るとお考えですか。僕は是非貢献したい
と思っています。何をする事が功を奏するとお考えですか。
(10) 21世紀中盤以降の日本の大きな活躍の場に宇宙空間が入っていますように!
958 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 22:19:50 id:PRXACric
>このロケットが調達できなければ”「はやぶさ2」計画自体がつぶれる”というのは
>これは文字どおりに解釈してよろしいのでしょうか?
その通りです。でも、よくよく考えるとH-IIAでも相乗りという手はある
のですよね。可能性ががあるかどうか、ちょっと調べなくちゃいけません。
>ヒューマノイドタイプのロボットが月面で活躍
格好良いですが、私は否定的です。月面には月面に最適な形状をした
ロボットを送るべきでしょう。
>『有人』 は絶対に必要と考えている。
同感です。ただし、技術開発のロードマップはよほど確実かつ慎重
なものにする必要があるとも思っています。中国は1992年から開発を
はじめ、4回の無人飛行を行った後、やっと有人飛行を行いました。
この慎重さの意味するものを、よくよく考えるべきなのでしょう。
> 一国民として、どうすれば日本の宇宙開発の活性化に貢献出来るとお
考えですか。
ひとえに興味を持つこと、持ち続けること、興味があることを公言し
続けることだと思います。
この場も、はやぶさ着陸時の熱気は薄れているようですが、今もはや
ぶさは帰還を目指した運用が続いています。はやぶさ2も関係者の皆さ
んは、まだまだあきらめていません。
宇宙探査には、そうやって粘り続けてはじめて成就するという側面が
たしかにあります。見物している我々も、中の人より先に気持ちが折れ
てはいけないのでしょう。
935 :名無しSUN :2007/10/12(金) 04:24:02 id:Nx9y5a2U
松浦さんへ、
宇宙探査って言葉にはグッと来る者ですが、国民や政界、産業界に対するアピールとして、
日本国の資源確保の為とか、巨大な金になる宇宙への投資とか、私たちの子孫の為の足場
作りだとかの露骨なアピールをすべきだと考えていますが、どうでしょうか。
936 :名無しSUN :2007/10/12(金) 04:38:57 id:Nx9y5a2U
今回の『かぐや』の意義も、月の起源・重力分布云々・・・よりも、将来的な
月の資源確保の為に、今日本は行かなければならないのだ!!って日本政府ははっきり
と国民に向けて何度も何度も言うべきだと思います。
宇宙開発は巨大に金が掛かるだけに、収支バランスが取れないと納税者には全くアピール
出来ないと思います。
960 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 22:25:47 id:PRXACric
>日本国の資源確保の為とか、巨大な金になる宇宙への投資
一時的な興味をかきたてて、バブル的状況を作るのは、長い目で見る
と悪影響のほうが大きいです。
1980年代前半、「シャトルがあればなんでもできる」というような
シャトルバブルというべき状況がありました。しかしチャレンジャーの
事故でバブルは弾け、後に多大な悪影響を残しました。
>月の資源確保の為に、今日本は行かなければならないのだ!!
ヘリウム3について、私はかなり懐疑的です。利用には重水素よりも
はるかに高温の核融合を実現しなくてはなりません。また、宇宙から地
上に物質を持ち込むわけですから、宇宙輸送システムの低コスト化も必
須です。
そして、宇宙輸送システムの低コスト化が実現すれば、宇宙太陽発電
のような、別のエネルギーも割にあうようになったりします。
なお、惑星科学者たちにいわせると、月に鉱床はないはずだとのこと
です。
地上の各種鉱床は、水に元素が溶けて析出するというプロセスで生成
するのだそうで、星の進化過程で水がなかった月では鉱床ができるわけ
がないとのことです。
このあたりは「かぐや」の探査結果待ちですね。
私が、「人が月に行く前に、月も含む太陽系各地の無人探査を先行さ
せるべき」と考える理由の一つです。
936 :名無しSUN :2007/10/12(金) 04:38:57 id:Nx9y5a2U
今回の『かぐや』の意義も、月の起源・重力分布云々・・・よりも、将来的な
月の資源確保の為に、今日本は行かなければならないのだ!!って日本政府ははっきり
と国民に向けて何度も何度も言うべきだと思います。
宇宙開発は巨大に金が掛かるだけに、収支バランスが取れないと納税者には全くアピール
出来ないと思います。
964 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 22:44:27 id:PRXACric
>海外ロケットで打ち上げ 「はやぶさ」の後継機
うーむ、色々出てきましたね。
某関係者の言葉。
「みんな『はやぶさ』が大好きなんですよ」
>はやぶさ2を外野が応援することで、他のミッションに皺寄せが行く可能性
JAXAの経営が下手をすれば、ありえます。逆に言えば悪影響を最小限
に留める経営手腕が求められています。
「それができてこそ経営のプロである」といういのが、私の認識です。民間企業に比べれば、JAXAの経営にはまだ絞る余地があります。
>またはやぶさ2応援に関して、はやぶさ以外のミッションの関係者は
どう思っているのか。
表だっては平静ですが、内心は知りません。「はやぶさばかりがなん
で」という意識があるかも知れません。
しかし、この世界は一蓮托生で、どこかがつまづけば、別のところに
影響が出ますし、どこかが突破口を開けば、その後を付いていく道がひ
らける、というものです。
皆、はやぶさ2が突破口となるかどうかを見守っているといったとこ
ろではないかと、推測します。
産経の記事の後継機は「はやぶさ2」です。Mark2ではありません。
「海外の打ち上げ手段が確保できなければ、そもそも開発はなし」という
意味です。
968 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 22:49:24 id:PRXACric
>宇宙開発委員会はどのような機関なのか。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/aboutsac/sac.htm
…というのはともかくとして。
「実際何やってんだ?」というのは、かなり難しい質問です。
だいたい国の審議会の類は、役所の方針に有識者の名前を使ってお墨
付きをあたえるためのものです。「官僚横暴」と言われないために「こ
のように、有識者の皆様もいっておられます」と言い訳するわけです
ね。役所がやっている国家操縦のための道具みたいなものです。
委員になって反対意見をいっても、事務方を握っている役所が阻止し
てしまう、というのは委員経験者のほぼ全員が語るところです。
もっとも最近は、そんな露骨なこともだいぶ減りましたけれども。
宇宙開発委員会は、以上の一般論に、かなり合致します。が、それだ
けというわけでもありません…ああ、説明が難しいな。
個々の委員の「はやぶさ2」に関する見解は、私も知りたいです…そ
ういう取材をすればいいのだな。
傍聴していると、「この人たちはもっと現場を見て歩いたほうがいい
なあ」と感じることが多いです。それも「ご視察」で相手の用意したも
のを見るのではなく、普段着でちょろっと行って、物をいじり、夜は現
場の人と飲む、ぐらいしたほうがいい、と。
平日開催なのですが、興味があったら傍聴することをおすすめしま
す。色々なことが見えてきます。
944 :名無しSUN :2007/10/12(金) 14:47:18 id:BLBLOPpn
日本の宇宙開発の目的は、将来への国益の為の投資、及び、日本の将来に対する資源確保の
最重要戦略の一つとして明確に打ち出し、国民を啓蒙すべき。
宇宙開発は、広義の国防事業でもある。
「宇宙開発」「宇宙探査」でもなく、「日本の宇宙事業」「日本の宇宙プロジェクト」
とすべき。『かぐや/かぐや2』に関しても「月資源獲得事業」「月資源奪取プロジェクト」
として打ち出した方が、理解や支援を得易いと思う。
中国が有人飛行により国際社会に派手にしかし明確にその存在感を示した今、日本が
露骨に経済活動としての宇宙事業に着手する姿勢を見せたところで、多くの支持を得
たとしても批判される事は少ないと考える。
科学への貢献・国際社会への貢献等と言う崇高な理念「だけ」では、巨額を投じる
に納税者の支持を得ない。
974 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 23:11:04 id:PRXACric
>「月資源獲得事業」「月資源奪取プロジェクト」
>として打ち出した方が、理解や支援を得易いと思う。
前にも書いた通り、私はバブル的雰囲気を作ることには反対です。
>科学への貢献・国際社会への貢献等と言う崇高な理念「だけ」では、巨額を投じる
>に納税者の支持を得ない。
例えば天文学を不要不急の学問と思っている人は今も多いです。
しかし実際には、緯度経度を定め、天測による航法を可能にし
時刻を定め、度量衡の基本となり、核物理や相対論の基礎となる
観測結果を得たのは、天文学です。
今や、量子力学と相対論なくして生活が立ちいかないのはご存知
ですよね。量子力学なくして半導体デバイスはありえません。また、
GPSは相対論的な補正をしてはじめて正しい位置を測定します。
天文学ほど実用に役立った学問はないとすらいえるかもしれません。
かつて世界を制したイギリスには、今も人口比で日本の10倍の天文
学者がいるそうです。
今、世界を牛牛耳っているアメリカが、基礎科学にがっちり投資して
いるのはご存知のとおりです。
一見不要不急に思える基礎科学は、長い目でみるともっとも実用的
な科学でもあり、国の繁栄の土台となるものなのです。
…と、いうことを、納税者にきちんと語り続けるのが、私の仕事だと
思っています。
945 :名無しSUN :2007/10/12(金) 15:19:24 id:WmugkyV3
どうしても「何を削るか」と言う話題になってる気がするのですが…。
ちょっと気になってる事があるので、お邪魔します。
予算の関係上、仕方ないとは思いますけど、少ない現在をしのぐならば、
海外ロケットでの打上げもそうですし、衛星同士、流用出来る部品があるなら
まとめて調達をして値を下げる等々、家計をやりくりするようなイメージで、
なんとか、多くのミッションを動かせないのか?と思います。
費用の単位が大きいだけに、そんな生半可な調整じゃやれないのかもしれませんが。
(あとは、やっぱり廻してもらえる額にもよりますが…)
それと日本は「国際協力」が絡むと、どうしても流されてしまう傾向が強い気がするのですが、
何か弱い立場があるのでしょうか。単に意思が弱いだけでしょうか。
個人的に「かぐや」は、月は近いけど未知の地と言う観点からは大いに探査を期待してるのですが、
資源があるかもと言う部分だけで動くのは、今後も続けるべきか?と考えてます。
月が、移住地だったり、宇宙に人類が飛び立つ為の第2のステーションとなるべき場所なら、
続けるべきだとは思います。あとは、無重力状態下での状態を調べる為の研究所だったり。
976 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 23:17:51 id:PRXACric
>家計をやりくりするようなイメージで、
>なんとか、多くのミッションを動かせないのか?
賛成です。しかし、いいかげん日本の科学ミッションは、諸外国よりも
安いコストで実施されていることも忘れてはいけません。
できることはあると思います。でも、「もう少し予算をかけてあげたい」
というのが、長年この分野をウォッチしてきた私の偽らざる感想です。
>日本は「国際協力」が絡むと、どうしても流されてしまう傾向が強い気がする
宇宙科学に関する限り、過去にそんなことはありませんでした。
ISSに関してはその通りであると思います。流される、というよりも
見通しが甘くてパートナーに振りまわされっぱなしになっているという
ことです。
>月が、移住地だったり、宇宙に人類が飛び立つ為の第2のステーションとなるべき場所なら
本当に月がそうなのか、もっと良い場所があるのではないか、という
ことを、事前の無人探査で確認すべき、というのが私の主張です。
946 :名無しSUN :2007/10/12(金) 17:41:51 id:Nud7/Vqh
インドならだたでで打ち上げてもらえるかも
タイミングが良ければ中国が月への有人探査に気を取られてるうちに
インドが先に地球の重力圏の外に探査機を飛ばすことになるしね
探査機もインドで最終組み立てをすればインド製になるし
947 :名無しSUN :2007/10/12(金) 18:30:12 id:yyZR7/fz
インドはいい選択肢かもね
やる気がありそうだし
科学分野でも優秀な人材は多そうだ
948 :名無しSUN :2007/10/12(金) 19:26:02 id:zcWAnbAS
Eロケットに2段目をくっつけてM-Vの後継機を作れば、
ASTRO-G、はやぶさ2等の打ち上げは問題ないと思う。
小さくてぎりぎりでも、できることはたくさんある。
大きければ余裕があって大丈夫っていうのもおかしいかと。
(きく6、かけはし、みどり、みどり2、きく8)
949 :910 :2007/10/12(金) 20:05:59 id:m5cvZCzU
>>927
松浦先生、レスありがとうございます。
>最終的にははやぶさでとこまでミッションを達成できるかにかかるので
>はないかと見ています。
やはり、はやぶさ2の計画は、現はやぶさの結果待ちですか、、、orz
イオんエンジンや探査の自動化等の成果にももちろんwktkしましたが、
それ以上に、探査の科学的成果の方に萌える自分としては、
数打ち、と言えるくらいたくさん打ち上げて欲しかったのですが。
977 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/12(金) 23:23:53 id:PRXACric
>インド
聞いた話では元気いっぱいのようです。先だってハイデラバードで
開催されたIACでは、インドの元気の良さがひときわ目立っていたとか。
ただし、国際協力は相互の信頼関係が大事です。一気に全面的協力と
いうわけにはいかないでしょう。例えばセンサーを乗せるというような
小規模な協力から一歩ずつ進めていかないと。
その面でもチャンドラヤーンにセンサーを出したNASAなどに、日本は
後れを取っています。
>Eロケットに2段目をくっつけて
いい着眼点です。
>はやぶさ2の計画は、現はやぶさの結果待ち
待ちません。ノミナルで今月末です。ひっぱっても年内といったとこ
ろだろうと予測しています。
981 :何処逝くの、な散文にorz :2007/10/12(金) 23:48:54 id:EbbS5Z7z
去年のはやぶさ2が危ない、の時、痛切に思いました、
惑星科学をやりたいのなら、先ず日本を出ることを考えるべきなんじゃ? と
今はますますその思いが強くなって来ました。
川口先生を初めとした世界的な才能を日本が潰す権利が果たしてあるのか、と
サイエンスの表紙を飾る素晴らしい結果をもってしても、続きが出来ない日本に拘る必要があるのか、と
敵は外に居るわけでは無い、と言うのがより絶望感を深くしています
日本に王立協会、AAASのような組織が育っていれば…
985 :名無しSUN :2007/10/13(土) 00:22:46 id:NgLg+taG
>>946
コメントありがとうございました!それを書いたのは自分でした。
>賛成です。しかし、いいかげん日本の科学ミッションは、諸外国よりも
安いコストで実施されていることも忘れてはいけません。
>できることはあると思います。でも、「もう少し予算をかけてあげたい」
というのが、長年この分野をウォッチしてきた私の偽らざる感想です。
国家予算/JAXAが渋っていると言う想いばかりで、根本をうっかりしていました。
出来る事とやりたい事がマッチングしないのは痛い話ですが、>>974の
「宇宙開発って何?」が分かる説明をする事は、本当に重要だと思います。
「宇宙開発」にどっぷり浸かってしまった自分の脳では、分かってるが故
Blogではその辺り上手く表現出来てない気がしてきました。
目からうろこと言いますか、微々たる運動のひとつの力となる為に、
これから念頭に置いて行こうと思います。ありがとうございます。
> >日本は「国際協力」が絡むと、どうしても流されてしまう傾向が強い気がする
> 宇宙科学に関する限り、過去にそんなことはありませんでした。
説明不足ですみません。ご指摘の通り、ISSの協力方面に関してを考えてました。
「はるか」のような、ネットワークを組んだ国際計画は素晴らしく思っています。
ですので。それと似た感じな、月探査(有人計画)が同じ運命を辿りそう、
そんな雰囲気がして怖い気がしています。
月の重要性は、現在は本当に未知の分野が多いのですが(個人的に月旅行を
希望してない身としてはw)突き進んでいいのか、いささか疑問のある所でいます。
先に「かぐや」後継機をどこまで行うべきか?と書いてしまったのですが、
ぼんやりと、次のローバ(直探査)までは確実に行ってもいいのかな?とは感じてます。
ただ「はやぶさシリーズ」となると、話は違ってきますよね。
すでに詰んでいる経験を元に、更なる情報を集めてくるわけですから。
24 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/13(土) 18:52:06 id:uTMDmbeD
前スレから続けましょう。
>惑星科学をやりたいのなら、先ず日本を出ることを考えるべきなんじゃ?
この議論はかなり以前からありました。L/Dに書いた大家先生も、
ゴダードに滞在していた1970年代「そんな話ばかりだった」という
ことを、取材で話してくれました。
それでも、日本が世界に立つにあたって惑星探査のような先端的な
事業は必要であるということでした。
私もこれに賛成です。
絶望せずねばり強く、しかし視野は広く柔軟に、ということですね。
>月探査(有人計画)が同じ運命を辿りそう
私もそれを非常に危惧しています。
今までの例を見ていると、モチベーションのない巨大計画は遅延と
予算超過を繰り返し、なおかつ失敗ということにすると膨大な人々の
責任問題が生じるので、「成功ということにして終了する」ということ
になりがちです。
アメリカの有人月探査に関する議論を見て思うのは、「またか」という
ことです。
987 :名無しSUN :2007/10/13(土) 00:33:56 id:TH5yCMSp
日本の宇宙開発の組織組成(?)って知らないんだけど、
JAXA(旧SAS+旧NASDA)はどこの監督官庁所属?
抜本的な組織変革や新時代日本宇宙政策の一環として
年間予算1〜2兆円規模の宇宙科学技術省とか新設出来ない?
いきなり省が無理なら、無省・超省の独立組織として
の年間予算5000億〜1兆円規模の宇宙科学技術開発庁とか
宇宙科学技術開発院なんてのも無理?
或は産-大学宇宙開発連合体とか・・・。
988 :名無しSUN :2007/10/13(土) 00:52:00 id:etI0tzpb
いや〜ここのところ大分過疎ってたのにえらい伸びてると思ったらこう言うことでしたか。
惑星探査機が商業衛星(とは限らないだろうけど)と相乗りなんて・・・
と思ってたらふと思いついたんだけど、
H-IIAに相乗りならLE-5B自慢の再々点火でどうにかならないものなのかな?
静止衛星と相乗りで惑星探査機を打ち上げたとなればそれ自体の是非は兎も角、
それこそ「世界初」の業績になるんじゃないかと思うんだけど・・・
993 :名無しSUN :2007/10/13(土) 03:08:33 ID:2Vuubbnh
松浦さんへ
ちょっと話がずれますがNTSpaceって会社はどうなってるんですか?
公式ページもほとんど更新されてませんし。
JAXAの写真でたまにNTSpaceの人が映っていますが
経営状態など、大丈夫なのでしょうか。
25 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/13(土) 18:58:44 id:uTMDmbeD
>年間予算5000億〜1兆円規模の宇宙科学技術開発庁
国家予算を突っ込んでも、使う人間がいないと無駄になってしまいま
す。
バブルを起こさず、人を育て、適正規模の計画を実施していくことが
重要だと思います。
国家予算の大きな問題は、その金にたかって…というと言葉は悪いの
ですが、予算によって収益を立てようとする企業や個人が集まってくる
ことですね。こういう人たちは金目当てなのでモチベーションがありま
せん。これはすべての公共事業に言えることですが、私は、宇宙に関す
るならばモチベーションの欠如は致命傷だと考えています。
>LE-5B自慢の再々点火
H-IIA相乗りに対して、JAXAがどういう判断を出すかは、経営側が実
際には何を狙っているかを判断する材料になるでしょうね。
困るのは理屈はいかようにでもつけられる、ということです。
>NTSpace
経営的に相当苦労しているようです。職人肌の優秀な技術者の多い、
良い会社なのですけれど。
16 :名無しSUN:2007/10/13(土) 03:22:26 id:naauQeWg
よくわからんのだけども
海外からロケットの提供を受けるってのは
酔狂な足長おじさんを待てってことなの?
それとも何かしら(その国のセンサーを載せるとか、成果にアクセスできるとか、運用に容喙出来るとか)
と引き替えにタダで上げるってこと?
無理じゃね?
21 :名無しSUN:2007/10/13(土) 13:55:28 id:z4Sh8nVI
>>19
はやぶさ2とJSPECの真相(修正版)
筑波「アメリカ様から月探査に協力しると言われたぞ。
これはチャンスだ。月・惑星探査利権を相模原から奪ってやれ。
ねえ、川■センセ、こんどJSPECやろうと思うんだけど。
One JAXAってことで筑波と相模原で仲良く一緒にやろうよ(はぁと」
川■センセ「JSPECですか。いいですねー。協力しますよ」
筑波「よしよしISASを分裂させて半分は筑波に引き込んだぞ。
我々の予算は拡大だ。しめしめ」
相模原「川■の馬鹿野郎め。筑波に騙されやがって。
ファビョーン。はやぶさ2なんてシラネ。
やりたけりゃ外国のロケット使ってあげてみろ。只でな(藁」
川■センセ「松浦君、ネットの皆さん助けてー」
22 :名無しSUN:2007/10/13(土) 18:32:07 id:k08BBhqf
>16とか
実績は十分あげているから、ロケットはロハ、ただしミッションの半分は言いなり、
ってのは十分可能でしょ。
あと、DSNは元々NASAのローバーを乗せる代償だった筈。
月は地上インフラを整える理由付けには丁度いいんだけどね、
チリともう一カ所に内之浦34m級のパラボラを作ればKaなら深宇宙でもそこそこ使える
正直はやぶさ2はロケットはドニエプルでもロコトでも良い、と思ってる漏れ、
Eロケットは200億もついたんだし(探査機1t期待してます>森田センセw)、
そこまでをつないでしまえば桶。大事なのは流れを切らないこと
26 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/13(土) 19:02:38 id:uTMDmbeD
>酔狂な足長おじさんを待てってことなの?
当然共同ミッションとなり、科学データからサンプルに至るまでは山
分けということになるでしょう。
逆に言えばはやぶさの成果は、それだけ評価されているということです。
>はやぶさ2の真相
陰謀論は良くないですね。
>大事なのは流れを切らないこと
その通りです。そこが今回、一番大切なポイントです。
明日の夕方まで顔を出します。
38 :名無しSUN:2007/10/13(土) 23:05:25 id:OH2m0YpF
>宇宙に関するならばモチベーションの欠如は致命傷だと考えています。
おれも小惑星探査に関しての真のモチベーションはないな。
探査機そのものにはオタク的興味はあるが、
C型小惑星や隕石の組成とか知識なし。
つまり探査機が飛ぶのは面白いってクチで
手段のためには目的はどうでもいいみたいな感じだが
血税使って飛ばすのを「是」とするにはそれじゃいかんだろうな。
地球の石から勉強しないと本当の必要性が見えてこんような気がする。
73 :名無しSUN:2007/10/14(日) 09:14:40 id:TWufgojb
>>72の書き込みは主旨がとっちらかったので。
・M-Vは「政策として廃止になっていない」
・よって「はやぶさ2」国産ロケット打ち上げはM-V復活のロジックになる
・その意味からも「はやぶさ2」は嘆願すべき
と、僕は考えている。
で、メールによる嘆願だけど、僕がここで思い出すのはPSE法。
あれ、施行当時は「天下の悪法」だったけど、種々の反対運動により、
改訂されて良法になった。
で、反対運動としては、もちろん、メール嘆願も効いたと思うけど
インパクトあったのは坂本龍一が音頭を取って有名ミュージシャンが団結し
マスコミに意見表明したこと。
一般メディアに多く露出している有名人が「はやぶさ2」を表立って応援してくれない
ものだろうか・・・。
74 :名無しSUN:2007/10/14(日) 10:53:52 id:iiKGaeIH
PSE法の際の坂本氏の発言は各所で見受けられたが
発言内容が具体的で切実であり、かつ妥当なものだったのでみなが納得した。
あの人がいったからというのもあるが、あの人のいったことに道理があったのだ。
「M−V復活のためはやぶさ2を」という物言いでは、
手段のために手段をということになりよくわからないものになる。
素人があれこれ政治的な理屈を並べるより
「はやぶさ2の活躍とスタッフの頑張りは俺を元気にしてくれるだろう」
とでもいったほうがまだましではないかと思ったりする。
75 :名無しSUN:2007/10/14(日) 12:11:37 id:TWufgojb
>>74氏
了解。たしかに、M-V云々を持ち出すと、本末転倒ですね。
ただ、「はやぶさ2」を現実的な形で打ち上げるとすると
M-V問題が蒸し返されるのは必至だとは思います。
惑星探査機を海外に打ち上げ依頼するって、知ってる限り前代未聞ですし。
PSE法に関して、坂本氏の発言は、はたして道理があったのだろうか?
話が脱線するので詳論は避けるが、実は初期のPSE法のままでも
「電源部の改造をしないヴィンテージ電子楽器は大手楽器店での売買禁止」
と言う内容なので、実は「坂本氏にとって、そんなに」切実でも無いし妥当でもない。
(電源部の改造をすれば良いし、そもそも彼クラスなら楽器は個人ルートで入手する)。
無論、悪法には違いないが。
実は、これは言いにくい事なんだが、
PSE法に関しての一番の問題点は、技術的な議論が一切なしに
(ヴィンテージ電化製品の事故率に関する具体的なデータ、楽器の電源改造についてのリスク)
メディアの著名人が訴えたことで、イメージにより法が改訂されたこと。
PSE法の顛末を見てると、やっぱり著名人を引っぱりださないとダメか、と思ったり。
78 :名無しSUN:2007/10/14(日) 12:31:49 id:Yjui53NX
あとですね。スレ違いではありますが、かぐやの広報はヘタくそです。
ハヤブサの時は手作りながら、ブログやライブカムで実況しました。月周回軌道
投入時とか重大イベント時に「かぐや」はなにもやりません。
ESAやNASAだって探査機の重大局面では、ライブカム設置したりして色々やるのにどうした事でしょうか。
ネットの力を見くびり過ぎです。
ハヤブサの数倍の予算を使うかぐやは一日遅れのプレスリリースのみ。
お役所仕事に吐き気がしますよ。
暴言ですかね。
111 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/15(月) 09:41:09 ID:1SGsYnNV
申し訳ありません。以下、最後の出現ということで書いていきます。
>おれも小惑星探査に関しての真のモチベーションはないな。
ISAS工学側は、それぞれの工学技術へのモチベーションで「はやぶさ」
に参加しています。モチベーションは理学的興味に限りません。
探査機が面白いというのはありです。しかし、他の人に訴えるためには
理論的武装が必要ですね。
>やっぱり著名人を引っぱりださないとダメか、と思ったり。
いれば大きな力になることは間違いないでしょう。それだけでマスコ
ミ露出が増えますから。
>広報
取材していた側から見ていると、「はやぶさ」の広報も最初はおせじ
にも上手ではありませんでした。
それが的川先生や寺薗さんといった人たちが努力して、少しずつ改善
していき、着陸トライアルが始まったあたりからは、プロマネの川口先生
もその重要性を認識するようになっていった、という経緯で、あれだけ
のことを最終的にしてくれました。
悲しいのはあのとき、相模原に詰めて「まるで川口学校だね」と言い
つつ記者会見に出ていたメディア関係者が、ほとんど異動になってし
まったことです。記者会見のたびに事情を把握して正確な記事をかける
ようになった人材が散逸してしまいました。
短期のローテーションでの異動は、マスコミ最大の問題点だと思って
います。専門記者が育たないのです。
76 :sage:2007/10/14(日) 12:15:29 id:Yjui53NX
M-V廃止は、長期戦略なしの場当たり的な決定ということで。
こんなんじゃ日本の宇宙開発全然だめじゃんよ。
はやぶさ2はどうなってしまうんだ。
80 :名無しSUN:2007/10/14(日) 12:38:39 id:vrF2wByo
>>76
本来NASDAに集約すべきロケット開発をISASとのツートラックにしたのが問題なんだよな。
84 :名無しSUN:2007/10/14(日) 13:45:57 id:iiKGaeIH
>>75
国産ロケットが望ましいだろうが、GXはいつになるかわからんし
M−V復活させようとすると話がややこしくなるし
この状況で惑星探査機が上がるのなら海外のでもいいな。
遠くへいきたい、遠くが知りたい、ただそれだけだ。
ベビコロンボでもESAと相乗りで行くだろうし前代未聞でもかまわんよ。
手段にこだわりすぎると目的を逸する。
85 :名無しSUN:2007/10/14(日) 14:18:31 id:Rvm4tWsx
でも、一度前例として海外に頼ってしまったら
今後、科学衛星は物乞い状態にさせられかねない。
それが怖いのよ。
112 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/15(月) 09:53:37 ID:1SGsYnNV
>ハヤブサの数倍の予算を使うかぐやは一日遅れのプレスリリースのみ。
中にいると、「あれでいい」と思ってしまうのです。「うそだろ」と
思うかも知れませんが、特に官僚システムは情報の訂正を嫌いますから
「とりあえず出して、後で直していけばいい」というネットの特性との
親和性がよくありません。
「全部確認できてからまとめで出せば十分だろう」と考えがちです。
このあたりは、みんなもっと積極的に文句を言っても良いところです。
>本来NASDAに集約すべきロケット開発をISASとのツートラックにしたのが問題
非常に複雑な問題です。ツートラックにしたが故に2つの異なる技術
系統がバックアップ的に存在し得たわけですし。
「せっかく2つのままここまで来たのだから、そのメリットを生かす
ような政策をとればいい」と私は考えていました。かろうじて「2つの
技術系統」は維持されるようですが…
>今後、科学衛星は物乞い状態にさせられかねない。
それは確かにあります。一方、打ち上げ手段を海外に頼るということ
は、華々しい成果を挙げた「はやぶさ」同型機だからこそ可能であると
いうことも事実です。
「はやぶさの成果が得られるならロケットを出しても良い」と海外が
考えなくては、そもそもロケットの提供などあり得ない訳です。実績の
ない、他の科学衛星ではあり得ません。
91 :名無しSUN:2007/10/14(日) 19:12:35 id:SPl+UGNP
今は何を求めれば良いんですか?
(1)「10月末まで」という期限を延ばしてもらうこと
(2)国産ロケットでの打ち上げ(H-IIA)
(3)JAXAの金を使った外国産ロケットでの打ち上げ
(4)その他
103 :名無しSUN:2007/10/14(日) 23:57:01 id:TWufgojb
と、言うか、単純な問いだが、「ジオテイル」に愛着を感じるか?
「はやぶさ2」は国産ロケットで打ち上げるべき、と言うのは、
そう言う部分で思う。
113 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/15(月) 10:05:32 ID:1SGsYnNV
>今は何を求めれば良いんですか?
いかなる形であれ「はやぶさ2」を存続させること、です。日本に、
プログラム的探査を根付かせるために、それが必須であると、私は考え
ています。
海外のロケットでも構いませんし、国内のロケットでもいいのです。
この週末色々考えましたが、国内のロケットでできないことはないので
はないかという気もしてきました。
>「ジオテイル」に愛着を感じるか
ジオテイル打ち上げ時にはやぶさ並の広報があればあるいは…
ジオテイルは地球磁気圏を調べるプラズマ科学の衛星でした。プラズマ
科学の観測は「絵が出てこない」という特徴があります。電場、磁場
プラズマ密度、プラズマの波動など多数の値を観測しますが、人間が
目で見るような「画像」があまり出てこないのです。
プロの科学者ならば、グラフを見れば地球磁気圏でなにが起こっている
のかを理解できますが、我々アマチュアには、退屈なグラフの羅列にしか
見えません。
114 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/15(月) 10:06:44 ID:1SGsYnNV
ISASの科学衛星は、ずっと画像取得は避けていました。というのは、情報量が多いので、通信による伝達が難しかったからです。ロケットも
衛星も小さかったので、それだけの通信容量を持つ通信装置を、当時の
技術で搭載するのが困難だったのでした。
画像はなくても、科学的に価値の高い観測、という方向で日本の宇宙
科学は進んできました。
それは、一般へのアピール度が、NASAに比べて極端に低いというこ
とにもつながりました。「ひてん」が航法用カメラで月面を撮影してます
が、観測用に設計されたカメラではなかったので、地上の望遠鏡のほうが
ましな画像を得られる程度の、ぼけぼけの画像でした。
状況が変わったのはM-Vで打ち上げ能力が向上してからです。「のぞみ」
のMIC、そして「はやぶさ」のAMICAで、初めて私達は「日本の科
学探査機が撮影した画像」に触れることができました。
「のぞみ」が火星に到達してMICで撮影した火星表面の画像が出てき
ていたら、大分状況は変わったはずなのですが。
あるいはルナAにもMICとほぼ同型のカメラが載る予定だったので、
1990年代半ばに予定通り上がっていれば、私達は13年も早く「日本の
探査機が撮った月面の画像」を見られたはずです。
はやぶさの場合、AMICAが撮影した画像が、広報や一般の盛り上がりに
大きく影響したと思います。もしも画像が一切なくて、ジオテイルのような
数値データとグラフだったら、あそこまで関心は集まらなかったでしょう。
115 :松浦晋也 ◆IdQawHF9Dw :2007/10/15(月) 10:39:14 ID:1SGsYnNV
今回のことで私に悔いがあるとすれば、昨年末に「はやぶさ2」支援
の呼びかけを行った段階で、もう少し継続的にねばり強く、計画を一般
の側から支援する仕組みを作るべきだったということです。
「それ、メールを送れ!」で終わってしまった気分になっていたの
は、失敗でした。
長期にわたるねばり強い活動なくして、探査機計画を立ち上げることは
できません。ましてやX線やプラズマのようにシリーズ化された実績が
あるわけでもないのですから、執念深く何度も何度もアピールを繰り返
して、やっと計画の立ち上げに至ることができるのです。
ゼロからはじめて、100億からの国の予算を貰うというのは半端なこ
とではないのです。
とはいえ、自分に何ができたのか、なんとも自分でも分からないとこ
ろではあります。
ともあれ、今回、私は自分にできることはすべてやろうと思っています。
そしてまた、たとえ「はやぶさ2」がつぶれてもそれは終わりではあ
りません。
きっと関係者は次の構想、次の探査手段を立ち上げるはずです。
私はそこまでフォローしていこうと考えています。
今回はこれで終わりにします。お邪魔いたしました。