中国航天，月探査機「嫦娥」の打上げに成功
中国航天が，月探査機「嫦娥」の打上げに成功しました．おめでとうございます！現在正常に飛行を続けているようです．
打上げには JAXA も招待されており，副理事長と専門家が立ち会ったようです．
中国 CCTV の打上げライブ中継を見ていたのですが，大変気合の入った特番を組んでいて，外国人向けに英語の特番も用意するわ，過去の人類の月探査を概括したかっこいい映像を流すわ，現在の衛星の様子を常にリアルタイムで CG 表示するわ，責任者や海外の研究者を呼んで座談会を行うわで，うらやましいくらいです．NHK もこのへんは少し見習ってがんばってほしいなあ．
一方で，長征ロケットの残骸が民家を直撃したりしています．しかもそれは「予定通りの落下」というのがすごい．日本では考えられないことです．
中国は内陸部でロケットを打ち上げるため、陸上への残骸の落下が避けられない。現在、建設計画が進んでいる海南省の打ち上げ基地が完成すれば、リスクが少ない海上へ落下させることが可能になる。
ロケットが先で、事故対策が後というのもすごすぐる。
ほんとにすごすぐる．ロックスミスみたいな人がいるんでしょうかね．事前に近辺の 20 万人を非難させたとかいう話もあり，国がここまでバックアップしている例は他にないでしょう．ある意味，アメリカもソ連もなし得なかった，宇宙開発に携わる人間にとっては桃源郷ともいえる環境かも知れませんが，その方針にはやはり首を傾げざるをえない部分があります．この手のスタイルが戦後の人類の宇宙開発を引っ張ってきたのは事実ですが，もはやそういう時代ではないというか．
ちなみに開発費は 213 億円（2 兆 5900 億円というのは多分ガセですｗ）．
まあともかく，今は嫦娥が無事に月に到着することを期待しています．
