月探査 WG,2010 年半ばまでに SELENE-2 打上げの方針を固める

宇宙開発委員会の月探査ワーキンググループが,2010 年半ばまでに SELENE-2 を打ち上げて月着陸探査を行う方針を固めたそうです.

 2010年代半ばまでに月着陸を――。宇宙開発委員会の月探査ワーキンググループは26日、月を周回中の「かぐや」の後継の無人探査機(セレーネ2)で月面を探査する方針を決めた。宇宙航空研究開発機構が技術的な検討を始めており、アポロ17号から約40年ぶりの着陸となる可能性もある。

 ワーキンググループは「月探査に積極、果敢に取り組む」との報告書をまとめた。その中で、セレーネ2を最初の具体的な計画と位置づけた。

 宇宙機構の構想では、無人の着陸機と月面探査車、データを中継する小衛星からなる。H2Aロケットで打ち上げ、月面の岩石などを自動的によけながらピンポイントでねらった場所に着陸。数百メートル〜2キロの範囲を探査車に走らせ、ロボットアームで石や砂などを調べる。

 これまで着陸の精度は誤差1キロほどが限界だったが、セレーネ2では100メートルほどに高める。探査車は、月面の細かな砂の坂をのぼったり、自分の位置を正確に把握したりできるようにする。

 かぐやの地上設備の流用や、小惑星探査機「はやぶさ」などの技術の活用で、開発費を約500億円に抑えるという。

 今回の方針は、同委の長期計画に盛り込まれる見込み。今後、宇宙機構が、より具体的な計画づくりを進める。

 文部科学省宇宙開発委員会の月探査ワーキンググループは28日までに、月面着陸機と探査車、リレー衛星で構成される月探査機「セレーネ(かぐや)」の2号機を2010年代前半に国際協力で開発し、打ち上げる計画を盛り込んだ報告書をまとめた。宇宙航空研究開発機構の次期中期目標・計画に反映させる。
 宇宙機構はかぐや、セレーネ2に続き、10年代後半に月面の岩石試料を採取し、地球に持ち帰るセレーネXを打ち上げた後、20年以降に建設が予想される国際有人月面基地に日本人宇宙飛行士を送り込む構想を立てている。
 セレーネ2の着陸機は、地球からの電波による遠隔操作ではなく、小惑星探査機「はやぶさ」で実証した搭載コンピューターによる自律制御で安全な場所に着陸し、地震計などで月の内部構造を詳しく調べる。探査車は高性能燃料電池で夜間も動けるようにする。開発予算は500億円程度。

 文部科学省宇宙開発委員会の月探査ワーキンググループは26日、次の月探査計画として、2010年代中ごろまでに宇宙航空研究開発機構JAXA)の無人探査機「セレーネ2」を月面着陸させる方針を決めた。

 JAXAによると、セレーネ2は現在、月周回軌道で観測活動中の「かぐや」の後継機。将来の月面基地の建設候補地になりうる極域か中緯度地帯に着陸し、搭載するロボットアーム付き小型探査車を移動させながら月面環境や地質構造などを調査する計画という。

 一方、月の有人探査については時機を明示せず、国際協調の下で国としての対応を決めなくてはならない時期が来た時に「時宜を失することなく対応できるよう検討を継続する」と記述するにとどめた。【西川拓】

10 年代後半には SELENE-X での月サンプルリターンにも触れられています.

SELENE-2 の絵がここまで詳しく出たのは初めてではないでしょうか? 左半分の CG は SELENE-B の絵を流用してますね.ランダの設計は,4 本脚や底面中央のメインスラスタなどは同じですが,太陽電池が垂直に立っているところが大きな変更点ですね.恐らく中緯度地域を目指した SELENE-B と違い,極への着陸を視野に入れているためでしょうかね.ローバはかなりデザインが変わって,宇宙先進技術研究グループで開発中のライトクローラにきわめて近いものとなります.ただしこれも太陽電池が突っ立っています.グリッパはかなり大きくなり,もしかするとカメラも 3 眼でしょうか?? それからリレー衛星のようなものがあるのも目新しいですね.月の裏側に行くわけでもないのに,何に使うんでしょう??

ミッション内容は SELENE-B とほぼ同等のようですね.ピンポイント着陸は誤差 100m とのことで,はやぶさの経験が大いに生かせそうです.ローバは夜も動けるとのことで,かなり長期のミッションを予定しているか,あるいは永久影に入ることを検討しているのでしょう.

ちなみに,これで本決まりなのかはよくわかりません.そもそも,JSPEC での衛星選定プロセスってどうなっているのでしょうね??