DARPA の Orbital Express,液体補給実験に成功,直後に航行システムに障害も

NASADARPA がすすめている軌道上ロボティクス実験,Orbital Express が,軌道上での液体(ヒドラジン)補給実験に成功したそうです.

その直後の 5/11,片割れである ASTRO の自律航行システムに異常が発生し,2 基の衛星は数キロも離れるという事態になりました.

しかし DARPA はその後 1 週間をかけて 2 基を接近させ,5/19 についに再結合に成功したそうです.

6 キロ先から赤外カメラと LRF を使って少しずつ接近させ,最後は高データレートが使えなかったため,画像なしでテレメトリだけで自律ドッキングさせたとのこと.はやぶさも似たような運用をやっていたっけ.DARPA も執念でがんばってますね.

それにしても,障害発生のニュースは大々的に報じられ,再結合のニュースは DARPA 自身のプレスリリース以外ほとんど報じられていないというのは,どこもこんなもんなんですかね.

平成 19 年度もロケットガール養成講座開講

昨年度大きな盛り上がりを見せた秋田大学ロケットガール養成講座,今年度分を女子中高生理系進路選択支援事業に応募されていたようですが,大変残念なことに不採択だったとのこと.

しかし,akiaki さんやセンター長さんのご尽力により,今年度は秋田大独自企画として開講する目処が立ったとのこと!おめでとうございます.

ロジスティックに関してはまだ問題を抱えておりますが、平成18年を上回る規模でやる予定です。(その為の種は、実は平成18年度企画で蒔いてあった。)
打上は能代宇宙イベントにあわせる予定です。
またまだお話しできませんが、平成19年度企画に於いては、平成20年度以降の、日本の宇宙開発の、そしてものづくり教育の10年後を見据えた種撒きも盛り込むつもりです。乞うご期待!

予算面では大変だとは思いますが,昨年度を上回る規模とのこと,その心意気に期待!

中国,月探査機「嫦娥 1 号」の打上げは今年後半

中国の月探査機,嫦娥 1 号の打上げ時期は今年後半とのこと.

Yahoo! ロイターの記事はミスリーディングで,嫦娥 1 号がサンプルリターンやるように読めますが,今回の周回機は文字通り周回するだけのはずです.日経情報だと 12 年頃にランダー,17 年頃にサンプルリターンとなってますね.日本の SELENE シリーズも似たようなスケジュールでやっていたと思います.

中国の火星探査機の名称は「蛍火 1 号」,打上げは 09 年 10 月

引き続き中国の宇宙探査ですが,火星に関してはロシアと共同で 2009 年 9 月に探査機を打上げ予定.「蛍火 1 号」と命名されたらしいです.

古代中国で火星のことを「螢惑」と呼んでいたことに因んでいるのでしょうか?

ちなみに重さは 110 キロ.のぞみ(本体 260 キロ)の半分以下とは,かなり軽いですね.まさに蛍.

イタリア宇宙機関と JAXA が「宇宙工学展」汐留で開催中

イタリア宇宙機関(ASI)が JAXA と共催で,「宇宙工学展−地球から宇宙の果てまで」をShiodomeitaliaクリエイティブ・センターにて開催中です.6/3 まで.

宇宙をバーチャルに再現したインスタレーションで表現する同展は、イタリアの最新の宇宙工学技術と研究開発の成果を発表する。展示内容は、光や色、音などの効果を使い、地球から月、月から火星、火星から宇宙の果てまでの道程を再現し、「宇宙のさまざまな現象を表す」という。また宇宙ウエア開発ユニットのリーダー松居エリさんによる「ファッションの展示」やJAXAによる「打ち上げられたまたは打ち上げ予定の衛星模型展示」なども。

松浦晋也さんが公開する「夢の残骸」

松浦晋也さんが,1988 年に NASDA が作成した内部資料,「人工衛星等打ち上げスケジュール(一部想定)」という表を公開されています.

歴史的資料としての価値も大変なものですが,それにしても1988 年というとバブル景気の真っ只中.その後の日本経済の失速と「失われた 10 年」の重みが,90 年代の日本の宇宙開発の冬の時代とダブって見えます.まあ,この手の「夢の残骸」は NASDA に限らず世界中の宇宙機関に転がっているのでしょうが….

ただ,

当時、浜松町の本社広報で話を聞くと、「順調です、大丈夫です、問題ないです」という中身のない返事が返ってくるばかりで、そのこともマスコミの間でNASDAの信頼度を下げていた。

こういうのを目にすると,総じて旧 NASDA 陣営は昔よりは良くなってきているのだな,とは思いますね.そう思わなきゃやってられん(笑)

日本の宇宙開発はインドにも対抗し得ない〜JAXA・平岩主任研究員に聞く

松浦晋也さんの「宇宙を読む」シリーズ最新号.

あまり国別対抗で抜いた抜かれた談義をするのは好きではないのですが,この記事が何も考えていない日本の役人の焚付けに役立ってくれないものですかね.宇宙開発に限らずゆとり教育でも何でもそうですが,数十年のスパンを考慮した国策がまるでないですから.その点,インドや中国は戦略をちゃんと考えているようです.

稲谷先生から再使用観測ロケット構想

宇宙研の稲谷先生(RVT でおなじみ)から,再使用観測ロケット構想が出ています.日本地球惑星科学連合大会で発表とのこと.

これは実現すれば画期的なんじゃないでしょうかね.なにしろ

  • 1 回の打上げコストがたったの 1,500 万(現在の 1/10 以下)
  • 液酸液水の冗長系
  • 発射場は内之浦
  • 再使用回数 100 回以上
  • ターンアラウンドタイム 1 日以下

いやーこれできたら楽しいだろうなあ.


追記(2007-06-03):こちらにも記事が出ています.

宇宙ロボットフォーラムホームページ開設

ようやくできましたか!SRF ホームページです.

ところで以前

というか JAXA は ETS-VII のコンテンツを再掲すべきだと思いますね.せっかく宇宙ロボット推進チームとか立ち上げてるんだから.

などと生意気なことを書きましたが,もしかして中の人が目に留めてくださったのでしょうか,なんと SRF に全部再掲されていました!!うひゃー.素晴らしいです.ありがとうございます.

また,東工大JAXA 連携講座のページも面白い.小田光茂さんや野田篤司さんが指導してくれるとはなんとも贅沢な研究室ですね.

旅行に行くなら鳩山

電話は 4126 ですか?wwwwさすが喜多充成さん.

追記(2007-05-24):あ,関東人にしか通じないネタだったかもですね.元ネタは関東ローカルで流れている「ハトヤホテル」の CM「伊東に行くならハトヤ 電話はヨイフロ(4126)〜♪」というものです.

気球 BVT60-3 号,放球直後に降下

世界記録を狙っていた気球実験ですが,放球直後に降下してしまったようです.

フィルムが破損したとのこと.厚さが 2.8 マイクロメートルって尋常じゃない薄さですが(ラップの薄さは 20 マイクロメートルくらいだそうです),残念ですなあ.次はぜひ上昇してもらいたいものです.

SELENE プロジェクトサイトがリニューアル

打上げを間近に控えた月探査機 SELENE のサイトがリニューアルしました.

SELENE は今どこに!」っていうコンテンツが期待大.はやぶさの時も,「今日のはやぶさ」の地球からの距離が更新されていくのを見ると,興奮が高まったものです.ぜひ頻繁に更新していただきたいものです.

ところで,以前ごんざぶろうさんが SELENE のロゴを紹介されていて,最近全然使われてないと嘆いておられましたが,

SELENE サイトにバッチリ載っていました!しかも衛星のイラストも載ってバージョンアップしていますね.筑波大の芸術学系の学生さんのデザインとのことですが,いいデザインだと思います.

http://www.selene.jaxa.jp/ja/event/image/img_about_001.jpg

小型科学衛星の候補,東北大の惑星観測衛星 TOPS が有力

昨年度あたりから小型科学衛星の検討がすすめられていますが,

有力候補に東北大の惑星観測衛星 TOPS が挙がっているとのこと.

他にも,小型科学衛星 WG をみると面白そうな衛星が挙がっていますね!

たとえば,小型探査機によるソーラー電力セイルの展開・宇宙実証WGでは 2011 年にソーラー電力セイルで惑星フライバイを計画しています(しかも 2009 年に H2A のピギーバックで 5m 径のソーラーセイル衛星を計画しています).磁気セイルなんていうチャレンジングな話もあります.金星気球もありますよ!戦略的な観点からいうと,月着陸実験機SELENE-2,3 のリハーサル(特に自律航法は,はやぶさで培った技術の検証や,はやぶさ後継機のリハーサルにもつながる)という意味で,ぜひやっておきたいところです.

はやぶさ模型を使った CG 作品

みずよんさんが,はやぶさペーパークラフトと実写を CG で合成して,臨場感あふれる作品を作っておられます(Wiki へのタレコミありがとうございます).

スペースシャトル・コロンビア号の名前の由来

コロンビア号ってなんでコロンビア? とずっと思っていたのですが,今日謎が解けました.コロンビアってアメリカの雅号,雅称なんですね.知りませんでした.

日本で言うと「大和」のようなものだそうです.

もしかしたら常識の範疇かも知れませんが….