土井宇宙飛行士宇宙へ,きぼう船内保管室も取付け完了

連日メディアで大々的に報じられていますが,土井隆雄宇宙飛行士が 2 度目のミッションに赴き,ついに悲願の「きぼう」船内保管室が ISS に取付けられて稼動を開始しました.カナダのロボットアーム,デクスターも取付けられました.おめでとうございます.

今回時間がなくて打上げも入室も動画で確認できていないのが残念ですが,やはり有人ミッションは盛り上がりが違いますね.日本の宇宙施設がこれからは地上から肉眼で容易に見えるのも感慨深いです.メディア露出度も半端ないですが,毛利さんの時などに比べるとテレビ中継や関連番組がほとんどないように思うのはやはり贅沢な悩みでしょうか? まあ,今はネットでいくらでも動画が見られる時代ではあるのですが.

土井さんの同級生には川口先生や稲谷先生などすごいメンバーが揃っているようで,メッセージが届いています.

一方、フロンティアの最前線に人間がいきなり行くのは危険もあり、その場合は無人探査機が先陣を切る。有人宇宙活動にかかる費用をどう考えるかは議論があるかもしれないが、未知の領域をのぞいてみたい、宇宙に行きたいというのは、人類が基本的に持っている欲求だと思う。

土井さんが宇宙飛行士に応募したと知った研究仲間は「何度も何日も行けるものではない。やめておけ」と引き留めた。だが、土井さんは「一秒でもいいから宇宙へ行きたいんだ」と、きっぱり言ったという。

「日本宇宙食」も大人気のようです.ねぎまが確かに旨そう.それにしてもデイリーレポートを読んでいると食事の組み合わせがなんかすごいことになっていますね(ポークカレーにカレーラーメンとか…).

ちなみに,「きぼう」についてはいはもとさんのブログに面白い話が載っています.

当時、宇宙ステーション部門は全くの新しい部署であったこともあり、まだ若いエンジニアが設計などを仕切っていました。で、日本のモジュールを設計するにあたり、日本らしさを出そうということになり、当時、先輩方が住んでいた四畳半下宿のアパートをイメージしたそうです。

つまり、「与圧モジュール(船内実験室)」は4畳半の一間、「曝露部(船外実験プラットフォーム)」は濡れ縁(ベランダ?)、「補給部(船内保管室)」は押入れ、そして、「マニピュレータ(ロボットアーム)」は物干し竿なんだそうです。

なるほど,今回打ち上がったのは押入れですか! 確かに実験ラックを移設している土井飛行士,なんとなく下宿の引越し作業みたいな….

この「きぼう」、開発当初、技術者からは「どんがら」などと呼ばれていたそうです。

どんがら….

YAC では,NASA テレビ,JAXA 放送で土井さんの活躍の様子をウェブ上でも 24 時間見られるようになっています.

きぼうは金食い虫という文脈で語られることも多いですが,一国が有人施設技術を物にするのに費やした予算としては破格の安さだとは思いますし,金が掛かったということはそれだけ従事した人間の数も多いということで,それだけたくさんの人の悲願が詰まったミッションが順調に進んでいるのは何よりです.完成まで気を抜かずに頑張って頂きたいと思います.