戸塚洋二先生ご逝去

ニュートリノに質量があることを発見し,ノーベル賞候補としても注目されていた戸塚洋二先生が逝去されました.

戸塚先生は宇宙研評議員も務められていました.

小柴先生の言葉が胸を打ちます.

 〈小柴昌俊・東京大特別栄誉教授の話〉 発売されたばかりの雑誌に彼が闘病について語った対談記事がある。その感想を彼に電子メールで送った。その5分後に死去の連絡を受けた。弟子を失うのは、親が子どもに先立たれるのと同じ。こんなにつらいことはない。

恩師の小柴さんは、愛弟子の訃報(ふほう)に「息子を亡くした父親のようなものだ。どういうお気持ちですか、どう感じてますかなんて、聞かないでほしい」と言葉少なだった。

ノーベル賞をいつ戸塚先生が受賞されるかと毎年楽しみにしていただけに,あまりに早すぎる悲報に呆然としてしまいましたが,晩年の戸塚先生ご自身はノーベル賞なんていう俗世の話から超越したところにおられたような気もします.「科学入門」(先月 25 日に収録されたインタビューもあり)や戸塚先生のブログを拝見してその思いを強くしました.それにしても優れた科学者は優れた文章家であることが多いですが,戸塚先生も例外ではないようです.

謹んでご冥福をお祈りします.

参考:戸塚先生のブログから