「人工衛星と宇宙探査機」

宇宙工学の専門書.川口先生が分担執筆しています.

人工衛星と宇宙探査機 (宇宙工学シリーズ)

人工衛星と宇宙探査機 (宇宙工学シリーズ)

以下,ネタバレ含みます.


川口先生が書いているということで買ってしまったミーハーな管理人です(笑).一応数式にはそれほどアレルギーはないはずなのですうが…まったくの素人にはやはり難しすぎる.非常に丁寧に書かれているのですが,用語や概念が何の説明もなしにどんどん出てくるので,基礎知識ないとキツイです.

…いや,二体問題や軌道要素や Hill の方程式や Lambert の定理がここまで丁寧に解説されているのに難しいとは軟弱な! とか言われそうですね.ほんとすみません.傾斜角って何だっけ? ダウンレンジって何だっけ? 外積微分するとどうなるんだっけ? と必死にぐぐりつつ読んでいるような奴ですから….まあ,大学学部生レベルの本だと思うので,多分はやぶさスレに出入りしているようなマニアな人なら,さくさくと読み進められるのではないかと思います(自分も出入りしていますが,時々ついていけない).

まあそんなことは抜きにしても(おい),図を見ているだけでもなんとなく軌道工学の深淵を一瞬覗き見たような気になれるのが本書の良いところです.川口先生自ら説明するスイングバイの原理.小天体まわりの探査機の軌道を考える演習問題や,1998 年に地球を出発して火星に向かう探査機の演習問題など,ぜひとも解いてみたい…解いてみたいのですが….がっくり.本書以前のアストロダイナミクスを丁寧に解説してくれるような本,どっかにないかなあ.