はやぶさリアクションホイール故障の背景?

エアワールド 2007 年 7 月号で,星島秀雄氏がはやぶさリアクションホイールについて次のような記事を書いておられます.

また、“はやぶさ”のリアクションホイール故障は上記の情報収集衛星搭載型と同じであり、国産では高価だったため予算措置上安価な外販モノを購入したとの噂があるが、それは正確ではないようだ。はやぶさへ搭載されたリアクションホイールは、軽量化要求が背景にあるかもしれない。故障の背景を聞くと、リアクションホイールメーカーは、“ISASという先進的宇宙機関に採用される“ことが会社としてのプレステージ上昇に繋がるため、軽量化による改造費を自己負担で実施したそうだ。ISASの予算がないことはあらかじめ分かっていたため、既存リアクションホイールで信頼性のあるものを改造したのだろう。だが、それが裏目に出てしまったのではないか?ある宇宙技術者の指摘では「軽量化のための材料を変えたことが災いし、何らかの理由でリアクションホイールの回転ゴマにクラックが入り、重心がズレたことで回転軸に負荷がかかって故障したのではないか?」という意見を聞いた。なぜこのリアクションホイールメーカーが選択されたのか背景を徹底検証する必要がありそうだが、これが災いしてはやぶさミッション遂行が危機的状況に陥っているのは事実である。このように「外販モノはブラックボックスだからダメ」というナショナリズム的で”一方的な“考えではなく、献身的にもISASへ協力してくれたリアクションホイールメーカーの実態を理解したうえで、「キーコンポーネント国産化育成をすべし」という考えをもつほうが正しい見方だろう。

はやぶさスレによると,星島氏の文章は時々かなり荒っぽい論理のことがあるそうで,盲信はしないほうがよいのかも知れませんが,面白い話だと思います.